家族の中に「物がなくなったと」か「あなたが盗ったんでしょ」など身に覚えがないことを犯人扱いにされて辛い思いをしている方もいると思います。
しかもそれが身近な家族の方だったら尚更辛い思いをしていることでしょう。
私も昔祖母がお金を盗られたと言い、私が犯人扱いにされた経験があります。
以前はほんとに優しい祖母でよく遊びに行った経験があったんですがそれ以降行くのが怖くなった記憶があります。
しかし私は看護学校に通って専門的知識を得ることができました。
現在も看護師として働いており物盗られ妄想がある患者さんと真剣に向き合っています。
原因と対応策を実践することでその後祖母と良好な関係を続けることができました。そこで今回は物盗られ妄想がある方の原因と対応策を紹介していきたいと思います。
物盗られ妄想の原因とは?
物盗られ妄想とは認知症という病気が原因で起こっている可能性があり、記憶力の低下からきてます。
本人はものをどこに置いたか記憶を振り返ることができずに誰かが盗ったと信じ込んでしまっている状況です。
なので本人は人のせいにしているのではなくあったはずのものがなくなったからあなたが盗ったんだと解釈してしまっている状態です。
ではそのような方に対しどのように対応していったらいいのか説明していきます。
物盗られ妄想がある方の対応方法
- 本人と一緒に探す
- 否定はしない
- 先にみつけても相手が見つけやすいように誘導して本人にみつけてもらう
- 怒ったりはしない
- 他の家族の協力を得て休む期間を作ってもらう
私も最初は上記の逆の対応をしてしまい余計に関係が悪化してしまった経験があります。
トラブルを最小限にするためにも上記の対応を心がけましょう。
①本人と一緒に探す
物がなくなったと言われた際は勝手に自分で探すのではなく本人と一緒に探しましょう。
本人にとっては、あなたが盗ったものと信じ込んでしまっているため探しているあなたの行動が逆に不信感を持ってしまう可能性があります。
②否定はしない
例え事実と違っても本人にとってはそれが真実と信じきってしまっています。
そこで否定してもおかしいことを言っているのはあなただと思われるかもしれません。
そこで関係が悪化する可能性もあるので否定も肯定もせず「もしかしたらどっかにあるから一緒に探してみよう」など相手に協力する意思を見せましょう。
③先にみつけても相手が見つけやすいように誘導して本人にみつけてもらう
もし先にあなたが無くなったものを見つけても相手が見つけやすい位置に置いたり本人と一緒に見つけるように心がけましょう。
先に見つけて本人に渡すと「やっぱりあなたが持ってたのね」と言われる可能性があり関係が悪化してしまう可能性があります。
④怒ったりしない
前述にもお伝えしましたが、物を盗られたという妄想は本人にとっては真実のことです。
その本人に間違いを指摘したり怒ったりすると逆に不信感が抱かれたり喧嘩になってしまいます。
あなたも物を盗られたことがあったと仮定して、相手から「盗ってない。嘘ばっかり言うな。」と言われたら喧嘩になりますよね。
その状況が本人にとっても起こっている状況です。余計に関係が悪化する恐れがあるのでストレスが溜まると思いますがグッと堪えましょう。
⑤他の家族の協力を得て休む期間を作ってもらう
これは非常に重要です。
このような場面に遭遇した場合は一人で悩まないことが大事です。
辛い思いをしてとても悩んでいるあなたですが誰かに相談すると気分が和らぎます。
私も誰かに相談していなかった時間は苦痛の毎日でした。
私の場合は家族相談を設け、一人になる時間をもらったり、医療機関に相談して色々なサービスの提供を勧めていただきました。
今では一緒に住んでいても専門職の人が手伝いにきてくれたり、数日間施設で預かってもらったり条件はありますが色々な解決方法があります。
一人で悩まず必ず相談しましょう。意外と気持ちが楽になりますよ。
まとめ
物盗られ妄想とは認知症という病気からきているものと考えられます。
本人にとってはあなたが盗ったという妄想を事実だと信じ切ってしまっているのです。
しかしそれは病気からくるもので悪気があってそのようなことを言っているのではないことは理解してください。
辛くなったら周りの方に協力を依頼したりして休息をとってリフレッシュしましょう。
医療機関に相談するのも大事です。
楽しく人生が送れるように一人で抱え込まずにしていきましょう。